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この人この曲(10)陳建年:我們是同胞 [音楽]

台湾には中国大陸から漢民族が渡ってくる前からこの地に住んでいた人々がいます。現在台湾に住んでいる先住民族(中国語では原住民)は大きく分けて13の部族だといわれています。その中でも台東に住むピュマ族(卑南族)は昔から素晴らしい音楽を受け継いできたことで有名です。

陳建年はそのピュマ族出身のミュージシャンです。地元の警察官でもある彼の音楽活動はとてもゆっくりしたもので、およそコマーシャルなものとはかけ離れています。ですから、常にコマーシャルなものを求める台湾社会ではあくまでもマイナーな存在なのですが熱心なファンも数多くいて、一外国人として“ああ、台湾も捨てたものではないな”などと思ったりします。

とにかくこんなによく声が出て、豊かな歌心をもった人はそういません。中国語で歌ったものが多いのですが、詞はどれも彼が愛してやまない故郷・台東やそこに住む人々のこと。その詩世界は素朴な風景を歌いながら、先住民の熱い血潮のようなものが伝わってくるのです。

 

「我們是同胞」は、普段控えめな陳建年にしては珍しくメッセージの込められた曲です。中華圏の台湾社会にあってマイノリティである台湾先住民の思いを綴ったこの歌は、時に政治的な場で利用されることもあり、そこに彼らの苦渋の思いを感じずにはいられません。しかし、それでも陳建年はこの歌を歌い続けています。曲の合間に挟まれる先住民の伝統的な音楽の旋律と叫びにも似た掛け声の応酬に、人として生きることの喜びを感じてしまうのはわたしだけでしょうか。この曲を聴くといつも元気になるのです。

陳建年のホーム・ページ

http://pau-dull.com/

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他們也是同胞!! 彼ら(ラーとマメ)も仲間!!


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たいへー

昨日TVで、
ヤン リーピンの「シャングリラ」の事をやってました。
場所とやり方こそ違えど、少数民族の誇りと素晴らしさを
伝え様としているのは、この歌も同じですね。
民族の伝統は、決して古臭い物ではないんですよね。
by たいへー (2008-02-10 07:18) 

くみみん

おはようございます。
ちらりと聞いてきましたが、ちょっと南米のフォークロアを思わせるのは笛?のせいかなあ?
心に自然に入ってくる感じですね=^-^=
by くみみん (2008-02-10 08:29) 

サミンガのアルバムの中でこの方の名前は見たことがあります。
歌を聴いてみてとても親しみ安い曲でした。
台湾の少数民族出身の歌手はとても歌が上手いと思います。
独特の声の出し方はとても惹かれます。
そういえば動力火車はまだ活動しているのでしょうか・・・
by (2008-02-10 09:04) 

ゴーパ1号

純粋な歌声ですね。音楽って、やっぱりいいなーと感じます。
まだお若い人ですか?
by ゴーパ1号 (2008-02-10 09:43) 

将軍

顎を肩に載せられているのは長池・・・いや、ラーさんですか?
(ラーの方が縞がくっきりして模様が日本のきじ猫に近いような気がするのですが)
前に回ったらどんなお顔をしているのでしょう?

陳健年。今の日本で警察官が音楽活動をしたり、制服姿をサイトに載せたり、仕事風景を音楽ビデオに収録したら(いや、警察官が犬を繋いでいないってだけで問題になりかねない)どんなことになるか・・・・。
窮屈な国になりました
by 将軍 (2008-02-10 15:01) 

Buji

本当に伸びやかな声ですね。
何か他のもののためではなく、歌いたいから歌っている、弾きたいから弾いている、そんな音楽って良いなと思います。
by Buji (2008-02-10 22:05) 

りみこ

力強い曲・歌声ですね。
民族というモノを意識しない毎日な私ですけれども。

ラーくん、マメくんはまた良い姿ではないですかwww
寒さも手伝ってより仲良くなりますねw
by りみこ (2008-02-10 22:20) 

べっこら

豆ちゃんにラーちゃんが顔を乗せている
すっかり仲良しになりましたね。
お互い安心できる場所だからなのでしょうね。
民族のくらしや伝統受け継いでいくことは大事な事ですが
いろいろ大変なのでしょうね。
by べっこら (2008-02-10 22:28) 

溺愛猫的女人

ラーくんと豆ちゃんが二匹で寛いでいる姿に癒されます。
by 溺愛猫的女人 (2008-02-10 22:51) 

ミタタロウ

日本にいると、民族という意識を持ちづらくなりますね。
ラーくんとマメくんが全く違う境遇から出会い、
時間をかけながら仲良くなっている姿を見ると、
なにか大事なことを教えてもらっている気がします。
by ミタタロウ (2008-02-10 23:50) 

ayou

陳建年の『海洋』は好きなCDです。
彼が音楽の賞を取る前に、台湾大学近くの小さなライブハウスに演奏を見に行きました。演奏が終わった後に、「サインください」と言ったら、頭をかいてすご〜く照れながらサインしてくれました。
ちなみにCDジャケットをデザインした蕭青陽はたしか今年のグラミーのCDデザイン部門にノミネートされてますね。すごい!!
by ayou (2008-02-11 02:55) 

iharaja

ライブで陳建年が着ている服の文様もピュマ族に由来するものなのかしら。
音や色、形、模様・・・
民族の誇りであるものを自由にできないときもあったことでしょうね。

寄り添う姿は複数の猫と暮らす事を選んだ者にとって、ほっとする瞬間です。
by iharaja (2008-02-11 16:45) 

しまパパ

陳建年の歌をyoutubeで実際に聞いてみました。
歌詞はさすがにわかりませんが、
とても熱いものを感じました。
ラーくんとマメくん、すっかり仲良しになりましたね。
by しまパパ (2008-02-11 19:55) 

陳建年さん・・・はじめて聞きました。のびのびとした声、媚びてない歌い方が好感です。好きで歌いたくてうたってるそんな感じです。
ラーくんがまめくんの背中に顔を乗せて眠りかけてる?とてもいい感じ。
ステキな瞬間ですね。。。いいなぁ・・・
by (2008-02-12 00:46) 

りる

陳建年さん、言葉はわからないですが、とてもいい声ですね。
警察官なのですか?びっくりです。
日本では考えられないことですね。
よりそって眠るラー君とマメ君、
暖かな光があたっていて、とても和む写真ですね(^‐^)
by りる (2008-02-12 01:26) 

purimaro

音楽聴いてみました!こうして台湾の音楽聴いたのは初めてですが
意味はわからないけどメッセージーが込められた曲なんだな~って
感じるところがありますね!字幕を見て出てくる漢字からも勝手に想像
したりしました(笑)「海洋」も素敵な曲ですね、風景がまた良いです^^
ラー君、マメ君も鯉三さんと一緒に聴いていたんですね^^
by purimaro (2008-02-12 13:30) 

鯉三

たいへーさん:
ヤン リーピンの「シャングリラ」というのは中国雲南省の人たちのステージなのですね。知りませんでした。実は台湾には雲南省の人たちもたくさん住んでいて、土地柄かおだやかな雰囲気の人が多いです。

kumiminさん:
そうですね、最初の笛は南米のインディヘナの楽器を思わせます。これは陳建年の手作りだそうです。とても素朴な音色で、彼の音楽とぴったりです。

linmeiさん:
サミンガと陳建年は同じピュマ族で親戚関係にあります。貼り付けたYouTubeの映像に彼女の姿が少しだけ見えますよ。わたしはサミンガも大好きで、何度もライブに足を運んでいます。
動力火車は最近は目立った活動をしていないような気がします。音楽の方向性に迷いがあるような気がします。

ゴーパ1号さん:
シンプルだけどいい音楽でしょ?
陳建年はわたしと同い年です。ですから若くはないですね...

将軍さん:
長池ときましたか!そうですね、やっぱりあごを肩にのせるといえば長池ですよね。原辰徳も真似したくらいですから。
まったく日本ではありえないことです。現職の警官が音楽活動だなんて。でもこれには彼が先住民族だという特別な事情もあるのだと思います。

ふじのしんさん:
ピュマ族は「持って生まれた音楽の才能」に溢れているような気がします。豊かな風土がそうさせているのかもしれません。台東は台湾の中でもっとも美しいところだと思います。

りみこさん:
日本にいると民族なんか意識しませんよね。実はわたしも海外に出てから日本や日本人について考えるようになりました。それまでは当たり前のことすぎて、ちっとも考えたことなどありませんでした。
ラーとマメはこの冬ずっとわたしのそばから離れようとしません。
by 鯉三 (2008-02-13 01:36) 

鯉三

べっこらさん:
こんなショットはなかなか撮れません。いつもこうしてくれると嬉しいのですが、猫たちの事情もありますからね。マメはずいぶんうちでの生活に慣れてくれたような気がします。

溺愛猫的女人さん:
いい写真が撮れてわたしも嬉しいです。
こういうのは見ている方が幸せな気持ちになります。

ミタタロウさん:
わたしもそう感じています。猫たちに教えられることはとても多いです。それが具体的にどんなことなのかはうまく説明できませんが、動物たちはいつも一生懸命に生きているような気がします。喜ぶ時も怒る時も一生懸命なような気がするのです。

ayouさん:
台大近くのライブ・ハウスというのは女巫店でしょうか、河岸留言でしょうか。わたしはまだ陳建年だけのライブを見たことがなく、それがとても残念です。紀暁君や巴奈も大好きで、台湾の宝だと思っています。
蕭青陽の才能が発揮されている角頭音楽は、文字通り先端をいっているレーベルだと思います。ほんと、台湾は捨てたものではありませんね。

iharajaさん:
おっしゃるとおり、ピュマ族の民族衣装です。世界中に共通していることですが、先住民族の色彩感覚というのは本当に素晴らしいですね。現代人が失ってしまった自然感がそこにうかがえるような気がします。

しまパパさん:
陳建年の音楽はとてもわかりやすくて、耳にもやさしいと思います。
でも台湾の学生さんには知らない人が多いのですよ...とても残念なことです。

たま母さん:
そうなんです、媚びていないんですよ。自分達の好きなこと好きなものを、人の前でわかりやすく表現しているだけなんでしょうね。でも、それってなかなか難しいことだと思います。

りるさん:
現職警官がこんな音楽活動をできるなんて、台湾も懐がなかなか深いですよね。でも本当にゆったりした活動なので、なかなか生の姿を見ることができなくてちょっと残念です。

Balloonさん:
字幕の中国語、なんとなくわかるでしょ?そんなに難しい内容の詞ではないので、とっつきやすいと思います。
「海洋」なんかは自然の情景だけを歌っています。台東はきっとBalloonさんも気に入る場所だと思いますよ。


COCOさん、はっこうさん、seitaさん、椋木萌さん、nice!をありがとうございます。
by 鯉三 (2008-02-13 02:35) 

きみどり

ほんまにええかんじでした*^^*
今夜は寒い夜ですが
それでも爽やかな歌声に
晴れやかな気持ちになりますね。
by きみどり (2008-02-13 23:28) 

蟹道楽

故郷(自国)のスピリットを感じさせる音楽でした。
このような音楽は非常に貴重なものだと思います。
アジアのポピュラー音楽はアメリカやヨーロッパの影響を受けるのはまだしも、ほとんどが焼き直しでした。
この音楽のように自分の持って生まれた文化を重視する気持ちは、その言語が解らない他国の聴く者にも”想い”が伝わってきます。
日本国内では沖縄のPOPSがまさしくこのような感じを受けます。
by 蟹道楽 (2008-02-14 00:29) 

鯉三

きみどりさん:
ええかんじでしょ?
たまにはこういう音楽も聴かなければと思います。
こちらも今夜はかなり冷えました。

蟹道楽さん:
わたしはもカバーと称したパクリが横行するJポップやチャイニーズ・ポップというジャンルの音楽が苦手で、台湾へ来た当初は中国語のポップが流れると顔をしかめたりしていました。でも台湾先住民の音楽は同じ中国語で歌っていてもまったく違う感触だったのです。それはおっしゃるとおり、沖縄の音楽なんかに通じる何かなのだと思います。実際、陳建年が属する角頭音楽というレーベルでは、沖縄出身のチャンプルーズもCDを出しています。やはり通じるものがあるのでしょうね。


花火師さん、まぐわささん、nice!をありがとうございます。
by 鯉三 (2008-02-14 03:22) 

鯉三

mitukiさん、nice!をありがとうございます。

by 鯉三 (2008-03-18 23:25) 

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