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旗に込められた願い [台北でチベットを知る]

今から17年前にネパールを旅した時に目にした一つの光景。

カトマンズからポカラへ向かう道中。舗装されていないでこぼこの山道を何時間もおんぼろバスに揺られ、疲れがピークに達した頃に窓から見えてきた山。マチャプチャレ(6993m)でした。初めて見たヒマラヤの山。雪を頂いたその山の圧倒的な美しさに言葉を失いました。バスは菜の花が咲く畑を横に見ながら走っていて、その時車窓から撮った写真は今でも残っています。その写真をここで紹介できないのが残念ですが、もう一つ印象に残っているのが道沿いにあった小さな集落のことです。見るからに貧しい人々が住むたたずまいの家々。その一軒一軒に掲げられていた旗は、わたしの目にひときわ鮮やかに映りました。隣の席に座っていたネパール人に尋ねると、“チベタン(チベット人)の村だ”と教えてくれました。


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このブログでは政治的な話題には触れないようにしてきましたが、今チベットで起こっていることは一国の政治問題などでは片付けられないほど深刻な様相を呈しています。現在も進行中のこのあまりにも酷い人権蹂躙と政治的弾圧に、自分も何か一人間として意思表示できないものか。そう考えれば考えるほど自分の無力さを痛感します。
しかし、ブログは世界中の知らないところで個人と個人が自由につながっていけるものです。
その可能性を信じて、ある記事を以下に転載します。




「悪いことは悪い、と言える勇気」 


今日もまだ中国政府による、
チベット人大量虐殺が
チベット人地区全土で続いています。

チベット民族は、このまま「犯罪者」として、
民族浄化されてしまうのでしょうか。

中国の言い分は、中国的には正しいのです。
「チベットは中国の領土である」
「ダライ・ラマは分離主義者であり、チベットの独立を企てる悪い奴である」
「宗教は毒である」

近代中国が生み出した共産主義が、
子供の頃から、骨の髄まで染み付いてしまっている
現在の中国政府にとっては、
もう、この主張は、絶対的に、狂信的に、正しいのです。

しかしながら、その洗脳された思想は、
狂信的であり、偏狂的であり、
人間性を欠いた、非常に頑なな姿を生み出しています。
「自分達だけが正しい」という、
「世界平和」とか「共存」とは、対極にある姿勢です。

中国は、全世界を敵に回す用意があります。
なぜなら、「中国は絶対に正しい」と信じきっているからです。
生まれた時から民主主義の下に育った私たちの目に、
今の中国がどう映るのか、彼らには実感としては解りません。

現在の地球の人類にとって、
民主主義が主流なら、
彼らはマイノリティーであって、
私たちにとっての「悪」が、彼らにとっては「善」であれば、
やはり、意見は衝突せざるを得ないのです。

「悪いことは悪い」と、お互いが言い続けるしかないのです。

「彼ら(中国)にとっての犯罪者(チベット人)を殺して何が悪い。」
と信じているのですから、
「殺人はいけないこと」と子供に教えるのとは
訳が違います。

天安門事件では、民主主義、国民の人権を求める
自分の民族の子供達に銃を向けました。
それ以降も、私たちの知らないところで、
自由を求める中国国民の「更生」は行われ、
更生されない中国国民は「処刑」されてきたのです。

「従わないものは殺せばいい」
「鳴かぬなら殺してしまえほととぎす」
つまりは「恐怖政治」以外の何ものでもない、わけです。

こんな国を相手に、50年もの間戦ってきた、
チベット民族をはじめ、各自治区の少数民族は、
今、確実に消滅の道をたどっています。

まるでそれは、倭人がアイヌ民族を「征服」したように、
白人がオーストラリアの原住民を虐殺したように、
ナチがユダヤ人を抹殺しようとしたように・・・

それが2008年今日現在、中国で起こっている、事実なのです。

しかしながら、国の経済的繁栄のためには、
他の国とも付き合っていかなければなりません。
そこで都合の悪いことは「隠してしまえ」という
政策を取っている訳です。

「わからなければ何をやってもいい」

という「世界的な道徳を欠いてまで、貫きたい主張」がある、
という事です。

自分に従わない者を殺して、
自分の庭に埋め、それを黙って過ごす。

それが、「人民解放軍」にとって、
あたりまえになっているのでしょうか・・・

「しかし今は21世紀です」と言う言葉は、
「しかし今は20世紀です」と言い続けた
侵略される側のチベット人にとっては、
もはや意味を成さないのかも知れません。

この50年間、状況は悪くなる一方です。

中国のものの見方は、私たちの想像を超えています。
50年、100年、150年、300年のスパンでものを見る民族です。
究極の目的は、世界中の国旗を真っ赤にする、
世界征服、なのかもしれません。

チベットは・・・
絶望的です。

戦い続けた者にとっては、
もう疲れ果てて、叫ぶ力も残っていないのが
本当のところです。

ダライラマ法王の「非暴力の教え」を胸に抱き、
「怒りを持ってはいけない」
「固執を捨てろ」
と仏教の教えを胸に抱き、
多くのジレンマと戦ってきました。

しかし、あまりに酷い中国のやり方に反発する
自分の心との葛藤が、行き場を失い
爆発せざるを得なかったのでしょう。

行動の先頭に立つべきは僧であり、
(逮捕後、自分の家族に被害が及ばないから)、
その責任感が彼らを動かしたであろうことは、
容易に想像が付きます。

そしてまさに今回は、最後の力を振り絞って、
声を上げる、最後のチャンスだったのです。

うう、書きたいことは山のようにあるのですが、
情報収集に追われて、オロオロするばかりの毎日です。

でも、このブログも確実に毎日見に来てくださる方がいて、
私に出来る事は、こうして情報を発信し続ける事と、
チベットの問題を風化させてしまわないよう、
話続けることぐらいなのです。

無力ながらも、あごを上げてがんばります。
(こんな時に一日6時間停電&PCのバッテリー切れは辛いです;;)

もう、娘のお弁当を作って、仕事に行く時間です。
またあとで書きます!


ブログ「ばなな猫のネパールその陽ぐらし」より


<追加1>
ダライ・ラマ14世のメッセージ(2008年3月18日)
http://www.tibethouse.jp/dalai_lama/message/080318_release.html

<追加2>
【胡錦濤来日時に日本中をチベット旗だらけにするOFF】
http://www8.atwiki.jp/tibet_wiki/

<追加3>
アルピニスト・野口健さんのブログより
チベット動乱~北京五輪出場への条件~

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コメント 47

shiela

信教の自由を・・・という次元では無いと感じます。
この文章を読んで、涙が止まりません。
人として当たり前の自由をと、感じます。(上手く文章になりません)
by shiela (2008-03-22 05:30) 

たいへー

結局、「自分と違う価値観を持った人達」は
目的遂行の為には邪魔になるという訳でしょう。
中国がチベットを手放せないのは、
エネルギー問題も絡んでいるでしょうからね。
ただ、オリンピックにはダメージを与えましたよ。
おそらく自己満足の内に終わると思いますよ。


by たいへー (2008-03-22 07:21) 

椋木萌

自分たちにとって都合のいい映像しか流さない中国。
我こそが正義。
そんな国、ほかにもありますね。

チベットの人々に平和を!
by 椋木萌 (2008-03-22 09:39) 

STEALTH

世界観、国家観、そして個人としての価値観。それぞれに確かな軸をもっていないと、報道されているだけの情報で翻弄され操作されてしまいそうな気がしています。
グローバルスタンダード!とか言いながら、実はアメリカンスタンダードだったりする大国特有の論理、いわば俺たちのルールが世界のルール!的な匂いがして、非常に嫌悪感を感じています。
気づけよ、いい加減にって感じです。
だから、隣国なのに中々好きになれない、心が許せない気がしてしまうのって、私の感覚が歪なんでしょうかね・・・

by STEALTH (2008-03-22 09:53) 

鰯母

中国という国は本当に恐ろしいと改めて実感しました。
多かれ少なかれ教育によってその国の意志に沿った国民をつくって
いくということはあると思います。(そういう意味でも教育って大切
ですよね)でも中国は一人一人の心の自由さが感じられない。
それぞれが自分で自分の価値観を選び取っていくということが
許されていないのですね。というよりもそういう道があるということさえ
知らずにいるのでしょうね。
「信じきっている」ということほど手に負えないことはないと思います。
それだけ人の心(信念)というのは強い。
頑なな中国の心を全世界の人の心でやわらかくさせることが
できたら・・・と切に願います。
チベットの方々がこれ以上犠牲にならないように。
うまく言えません。長々とごめんなさい。
by 鰯母 (2008-03-22 11:10) 

まれぇ

2児の母として紛争が起こるたびに思うのは、子供が安心して暮らせることです。
by まれぇ (2008-03-22 12:08) 

symphony

情報も操作されているせいか、日本では
あまり詳しいことがニュースでも取り上げられていませんね
天安門事件の時のように、武力によって
このまま血塗られて鎮圧されてしまうのでしょうか
もっとトップニュースで扱うことはできないんでしょうか、、
中国という国家に対しての不信感は誰しもがもっているくせに
隣国でありながらあまり関心がないといった日本人気質も
ありますが、、民主主義な世界に育ってるだけに
自分に火の粉がかからないことに関しては
一気に世論が盛り上がらないのかもですね、、
悪いことは悪いと 当たり前にいえない!民族や宗教の弾圧を
いまだ正義として疑わない国で平和の祭典オリンピックを
開催していいのか!と個人的には怒り心頭なのですが、、、
ご紹介ブログのほうにも伺ってみたいと思います><

by symphony (2008-03-22 17:49) 

きみどり

ご紹介のブログにはたくさんのチベットの情報があり
よくよく読んで、もう一度、私自身も考えてみたいです。
うまいコメントができませんが
いかなる理由でも、暴力で解決することなんてないと思っています。
一日も早く、チベットに平和が訪れますように・・・
by きみどり (2008-03-22 18:09) 

べっこら

育った環境が違うと、ものの見方や感じ方が変わるので
国の情勢により人の感覚も変わってしまうのですよね。
人の立場にたってものを考えなさいと学校などで教えられましたが
民主主義だからこそ言える事なのですよね。
早く平和的に解決し安心して暮らせますように
by べっこら (2008-03-22 23:26) 

ayou

私も政治的なことには触れないようにしていました。いくら台湾へ嫁に来て、生活していたとしても、あくまで国籍は日本なのですから…
「天安門事件」が起きたとき、私は中国にいました(歳がバレそう…)
「今日のチベットは明日の台湾」
そんな気がしてなりません。
今回の総統選挙の結果を見ても、それが現実にならないことを祈るばかりです。
8年間の民進党政権に対して、市民が突きつけた「NO」だったとしても。
馬総統のお手並み拝見、というところでしょうか。4年の間に「●●」まで進んでしまわなければいいのですが…
by ayou (2008-03-23 00:10) 

ゴーパ1号

テレビのニュースだけだと、なんだかよくわからなくて
なんだか心の中に黒いモヤモヤがあるのです。
もっと知らなくてはいけませんね。
by ゴーパ1号 (2008-03-23 00:46) 

花火師

こんなことをする国に、オリンピックの開催権を与えるとは・・・
困ったものです
by 花火師 (2008-03-23 00:57) 

さなえ

自分たちが正しいと信じて今までも歴史上、このようなことが何度もありましたね。今起きているこのことを、みんなの気持ちが集まって止められたら、と思います。チベットに皆さんに一日も早い平和が訪れますように。
by さなえ (2008-03-23 01:48) 

鯉三

shielaさん:
shielaさんのブログの記事を読んで、わたしも何か書かなければいけないと思いました。でもチベットについての知識があまりにも浅かったため、ばなな猫さんの記事を転載したのです。

「マスコミから得られる情報には限界がある」
今回ほどそう思ったことはありません。中国の情報統制は昨日今日始まったことではなく、これに慣れていない海外のメディアは途方にくれている様子です。しかし、途方にくれてぼんやりしている場合ではないですよね。特に日本!

あくまでもネットがつながっていることを前提にしての話ですが、個人のホームページやブログが発信する情報はあなどれないと思います。なんといっても世界とリアルタイムでつながっているのですから、これを利用しない手はないですよ。どんなに小さなアクションも何かにつながっていくことを信じて、何かを発信していきたいものです。
by 鯉三 (2008-03-23 01:56) 

鯉三

たいへーさん:
まったくおっしゃるとおりで、自分のものにしておいて「じゃまだ」というわけです。じゃあ、始めから手を出さなければいいのに。
エネルギー資源。まさにこのために鉄道を敷いたようなものです。定住民のチベット人が利用するわけはないですよね。


by 鯉三 (2008-03-23 02:01) 

鯉三

椋木萌さん:
中国と同じ傲慢な国・アメリカの無反応ぶりには失望しました。もちろん、アメリカは中国とは違って、いろいろな意見を持った人々がいるので完全に同じとはいえないのですが。やっぱり経済第一なんでしょうか。チベットの人々とはまったく関係ない考え方ですよね。
by 鯉三 (2008-03-23 02:06) 

まぐろとわさび

ニュースでは伝えられていない部分がたくさんあるだろうとは
思っていましたが・・・。あまりに重い現実を前に胸が苦しくなりました。

by まぐろとわさび (2008-03-23 09:54) 

ふじのしん

恥ずかしながらチベットの問題は今回の件が起きるまでよく知りませんでした。
引用された記事からも感じたのですが、自らを正しいと信じた上での行動を改めてもらうというのは実は不可能な事だと思うし、ましてそれが強力なイデオロギーや国家の論理に基づいている場合には・・・結局、武力や経済による脅ししか有効な手段がないのかと考えて行き詰ってしまいます。
出来る事は・・・。起きている事実を見逃さない事と、見ている事を示す事なのだとやはり思います。
by ふじのしん (2008-03-23 10:46) 

鯉三

STEALTHさん:
おっしゃるとおりです。情報は発信者側の意図もあるということです。また発信されない情報にも注意が必要ですよね。NHKや朝日新聞などが率先してこの問題に取り組んでほしいのですが、残念ながら中国への遠慮が垣間見えます。
大国特有の論理。これは本当に困ったものです。しかし自分自身への批判精神なくして、発展など考えられません。中国に決定的に欠けている部分だと思います。
by 鯉三 (2008-03-23 13:34) 

鯉三

鰯母さん:
本当に教育って大切ですね。そこを間違えるととんでもないことになる。中国の現在がそれを物語っています。日本に留学している中国人学生を見ているとおもしろいことがわかります。彼らはみんな個性的で魅力的なのですが、作文などで自分の国を紹介させるとみんな同じような作文を書くのです。「わたしたちの国は素晴らしい」「中国人は偉大です」などと書くわけです。おまけに書き方まで同じだったりします(笑)。これはまさに教育のなせるわざですよね。

チベット人には信仰があって、それは共産主義の中国人のものとはまったく別物です。ここに取り込まれてしまっているチベット人は悲劇としか言いようがありません。しかし弾圧は現在も続いているので、知らないふりだけはしたくない。こうやって記事やコメントを書きながら自分に言い聞かせています。
by 鯉三 (2008-03-23 13:35) 

鯉三

まれぇさん:
紛争などで一番被害を受けやすいのが子どもや女性です。
子どもが安心して暮らせること。それに尽きます。
by 鯉三 (2008-03-23 18:43) 

鯉三

symphonyさん:
日本の報道はどれも腰が引けています。政府はさらにひどい。みんな中国には遠慮がちです。で、向こうはしたい放題です。サッカーの試合で相手の国歌斉唱でブーイングする国が他にどこにあるでしょうか。モラルなどあったものではありません。
世界中の国が中国市場という甘い汁のためにごますりをしているのです。彼らもそれを知っていて付け上がっているのです。だからといって、わたしたちも毒入りの餃子なんて食べさせられたらたまったものではありません。餃子はsymphonyさんのように手作りを食べるべきです。
by 鯉三 (2008-03-23 18:50) 

鯉三

きみどりさん:
チベットのことはかなり勉強を要すると思います。わたしもまだまだ不勉強で、元々チベット民族がどのような歴史と文化を持っていたのか、これからいろいろ勉強したいと思っています。
by 鯉三 (2008-03-23 18:53) 

鯉三

べっこらさん:
日本社会では常に「人の立場にたってものを考えなさい」と言われますよね。相手を思いやること、これはそう簡単ではないのですが、社会のあらゆる場面で求められるものです。かの国は徹底した個人主義です。聞こえはいいですが、欧米の個人主義とまったく違っていて、自分のためなら相手に犠牲を強いてもいいというものです。完全に狂っています。
by 鯉三 (2008-03-23 19:10) 

鯉三

ayouさん:
台湾の選挙、終わりましたね。わたしは気楽な外国人の立場で「台湾はもう独立している!」などと普通に言えるのですが、それをまったく認めない人々がいることには驚きを通り越して呆れ果ててしまいます。台湾にはすでに中国政府とは関係なく台湾独自の歴史があるのに。彼らの歴史は4000年?一体何やってきたんでしょう、4000年もの間。覇権争いだけじゃないですか。最近中国の時代物映画が次々と作られているのには辟易しています。非常に危険なナショナリズムです。

民進党には大いに反省してもらって、生まれ変わってもらいたいものです。本省人vs外省人という図式から早く脱却して、お互い協力し合いながら隣の中国とは違う自由な国家を世界にアピールしてほしいです。
by 鯉三 (2008-03-23 19:24) 

鯉三

ゴーパ1号さん:
テレビには報道されるものとされないものがあって、そのどちらにも報道する側の意図が働いています。そこに危うさを感じます。マスコミやジャーナリズムは常に事実を伝えるという使命を忘れずにいてほしいものです。
by 鯉三 (2008-03-23 19:28) 

鯉三

花火師さん:
オリンピックは純粋にスポーツの大会なのだから、ある国の経済発展のために利用されるようなものであってはいけないと思います。わたしは毎回オリンピック発祥の地・ギリシャで開催するべきだと思います。
by 鯉三 (2008-03-23 19:30) 

鯉三

さなえさん:
お久しぶりです。
「こういうことはよくあること」で済ませたくないですよね。
今の時代はいろんな国同士で自由に意見が言えるのですから、英知を結集したいものです。
by 鯉三 (2008-03-23 19:33) 

鯉三

まぐわささん:
すみません、なんだか重い話題を取り上げてしまって。
どうすることもできないという諦めもあったりして、さらに辛くなります。

by 鯉三 (2008-03-23 19:37) 

鯉三

ふじのしんさん:
ほんとに考えれば考えるほど行き詰ってしまいます。相手は完全に自己完結しているのですから。彼らの世界=中国なのです。これではどうしようもありません。だから日本ものあまり中国とはまともに取り合わないほうがいいと思います。こちらの論理なんて通用するわけがありません。ビジネスだって非常に危険で、そういう兆候はもうすでに現われてきているようです。ただただ首を横に振ることしかできない状況です。

by 鯉三 (2008-03-23 19:44) 

param

私が中国にいた頃も、中国人の多くが「チベットは中国」と心から信じてい
るようでしたし、「中国はチベットの近代化に大きく貢献した」とさえも。

自由に考えて発表できる(日本でもある程度制限はありますが)国に
いると中国の状況は理解し難いです。
まるで変な宗教に入ってしまったかつての同級生と話しているかのよう。
聴く耳持たずに話は平行線のまま。

私も怒りや焦りを感じるもののどこか諦めのようなものが付き纏っていて
やるせない気持ちで一杯です・・・。
by param (2008-03-24 08:28) 

Balloon

チベットとは全く関係ないのですが、TVである人が言ってました。
周囲を見てごらん。小さな隣人同士の争い、クラス単位の争い、学校同士の争い、
会社の中の争い、市町村同士の争い、お隣の国との争い・・
たった小さな争いがなくならない限り、永遠に繰り返されるくだらない
争いはなくならないって・・これって他の星に生物がいたら地球vs火星とかの
戦争になるのかしら^^;?そうなってからやっと地球が一つになれるような
気がします(大げさ?)まずは自分の周りの小さな争いに目を向けなくて
はいけないんだと実感しました。。
by Balloon (2008-03-24 15:24) 

rio

こんにちは。

中国を追い詰めることは得策ではありません。かつての大日本帝国のように暴走する恐れがあり、そうなれば西側諸国への牽制として台湾を利用し、世界的に緊迫した事態となる可能性もあります。

かといって、放置しているとナチスのようにどんどんと膨張し、国際社会の枠内からはみ出してしまいます。

いま、主要国は、北京五輪と経済をテコに、中国を軟着陸させようと必死になっていると思います。本来であれば、日本が主導権をとらなければいけない問題。福田首相ではそれができるわけもなく…。

日本人がチベット問題を考える時に、最初になんとかしなければならないのは日本の政治状況だと思います。
by rio (2008-03-24 20:46) 

kumimin

毎日起こっていることが全然伝わってこないのはこの国ですよね。
情報統制で…。
今日も聖火の点火式で抗議行動があったみたいですが中国政府は放送しなかったそうです。
なぜ抗議されるのか?考える余地を与えないんでしょうね。怖いことです(-_-)
オリンピック、大丈夫なのかな?
by kumimin (2008-03-24 23:51) 

鯉三

paramさん:
中国に住んでいらっしゃったparamさんなら、よくご存知のことだと思います。中国人は留学して高い教育を受けたエリート層でも国や民族のことについて話をするとまったく会話が成り立たなくなることが多いです。自分の国を批判するということが極端に少ないように思えます。これは過剰な自信なのでしょうか、それとも劣等感なのでしょうか。おそらくどちらもあるのでしょうね。
少数民族を下において満足を得ている構図は、なんだか昔の日本の歴史を思い起こさせます。「こういうことは常にある」では済ませたくないですよね。今の時代になってもそんなんじゃ、同じ人間として恥ずかしいです。

Balloonさん:
例えばこういう自分の遠い世界で起こっていることに怒りを覚えて、何とかしたいと思っている人がいるとします。でも、その人は職場や身近な人とのトラブルが絶えない人だったら...
わたしはBalloonさんのおっしゃっていることにこそ、真実があると思います。それは自省を込めてのことですが、結局は身近なことにも向き合えない人の言葉など、どこにも届かないのだと思うのです。

rioさん:
こんばんは。
>いま、主要国は、北京五輪と経済をテコに、中国を軟着陸させようと必死になっていると思います。

それが本当であることを願いたいです。わたしなどはやはりその「主要国」の利害とかを勘ぐってしまいます。真に中国の問題を世界的なレベルで考えている国はあるのでしょうか。どこも遠い所の話くらいにしか考えていないのではないでしょうか。おっしゃるとおり、これは日本が率先して関わらなければいけない問題だと思います。過去の歴史云々ではなく、位置的に日本が積極的に関わっていかなければいけないのだと思います。

中国という国は今のところ自己完結していて、まったく諸外国の意見に耳を傾けません。世界からバッシングを受けると果たして暴走してしまう可能性も秘めているのでしょうか。それは世界の終わりを意味してしまうくらい深刻な事態です。中国政府の上層部はもっと周到に計画を練っているのではないでしょうか。正直いって中国にはかなわない...諦めに近い感想しか出てこないのです。

kumiminさん:
オリンピックは政治とは無関係に、真にスポーツの祭典であってほしいものです。スポーツはルールにのっとって勝ったものと負けたものとが試合後に握手をできるのです。平和の象徴であることは疑いありません。しかし、その平和の祭典でもあるオリンピックの舞台で、このような弾圧が現在進行形で行われていたら、それは茶番劇と呼ばれても仕方ありません。北京オリンピックは中国のためにあるものではないはずです。中国は会場を提供する立場にすぎないこと今一度思い起こしてほしいです。
by 鯉三 (2008-03-25 00:42) 

rio

国際社会が北京を五輪会場に選んだのは、これを機に中国を一気に国際社会の枠内に定着させる意図があったからだと言われています。中国もそのお膳立てに乗るハラがあり、ダライ・ラマ14世はいまも、北京五輪成功→中国の民主化という流れに期待をかけていると報じられています。

中国はいまや、世界中のどの国にとっても”遠い”どころか、すぐそばにいる国です。チャイナ製品、チャイナマネー、そして華僑が世界経済に大きな影響を与え、国際政治では、サミット参加国が手を出さないような紛争地域に積極的に絡んでいく外交政策を売りにしています。

北京五輪ボイコット論の口火をきったのはフランスですし、それが米下院にも飛び火しています。各国首脳が中国に「自制」を求める声明を出し、日本(自民の中川秀直)はチベット報道の規制廃止を訴えました。中国はいま、影響力のある英米仏露が北京五輪ボイコット論を助長しないよう説得工作を行いつつ、チベット問題の落としどころを探っているそうです。

だからこそ、各国で主権者一人ひとりの意思表示が重要になってくるのだと思います。
by rio (2008-03-25 04:49) 

鯉三

rioさん:
再度のコメントをありがとうございます。知識のなさが随所に出ているわたしのコメントに、このようなお返事をいただけてとても嬉しいです。

確かに世界経済に及ぼす中国の存在とその影響力は絶大で、そういう意味では世界にとって中国はもっとも身近にある国なのかもしれません。IOCのロゲ会長が「北京での大会が世界に報道されることによって、中国は変わるだろう」という談話を発表していますね。そうあってほしいと切に思います。今回のチベット問題も北京でオリンピックが開催されるからこそ、クローズアップされたのだと思いますし。

わたしが一番恐れるのは、むしろオリンピックの後です。中国は面子を重んじるので、各国のボイコットをなんとしてでも食い止めるでしょう。その意味でこの期間中は世界からのどんな批判にも耐えるにちがいありません。だからこそ、その後が怖いのです。世界経済を動かしているという自負から、国連の常任理事国でありながらも、世界中から非難されている人権問題を「内政問題」と言い切れる中国。完全に足元を見られているような気がしてなりません。

しかし、国レベルでのアクションは不可欠ですね。やはり自分達の問題でもあるのですから。福田首相が中国主席来日時にチベット問題を「必要とあらば議題にする」なんて言っているようでは心元ありません。中国の将来は日本の将来をも大きく左右することは間違いないのですから、ここは日本政府から先んじて意見を言ってもらいたいものです。

by 鯉三 (2008-03-25 17:33) 

iharaja

天安門事件が報道されたとき、中国は変わると思い込んだものでしたが、
その内に全てが巨大な力に飲み込まれていきましたね。
その過程を詳細に知ることは最後までできなかったけれど、
なんとなく背筋が凍る思いがしたものでした。

先日、ラジオで「多民族・多文化共生」を訴え続けている
アフリカ系カナダ人の絵本作家が「咲いた、咲いた~」で始まる
チューリップの花の歌詞に感動したという話をしていました。
「赤、白、黄色、どの花見ても綺麗だな。」という件が
様々な個性を尊重する素晴らしい歌だと言うのです。
それは取りも直さず、様々な民族、様々な文化を尊重するということだと…。
そういう意識を持つことが、どうして、こんなに難しいのでしょう。
by iharaja (2008-03-25 22:33) 

蟹道楽

この度の暴動を知るまでチベット問題については正直、ここまでひどい
状況だったという事を知りませんでした。
このブログ「ばなな猫のネパールその陽ぐらし」の記事を読めば読むほど絶望的な気持ちになってしまいます。
”感覚のズレ”といわれればもう対処のしようがないのですが・・・
僕の知合いの香港の方も中国返還前にカナダへの移住権を取得しました。
この香港人や僕の行きつけだった南京町の中華料理店の主人も同じ事を言っていました。
「この国には何の期待も出来ない」
この度の事件で彼らの言っていたこの言葉の意味を考えさせられました。
by 蟹道楽 (2008-03-26 01:22) 

鯉三

iharajaさん:
天安門の衝撃は今でも鮮やかに思い出します。当時学生だったので同じ世代の若者の叫びに共感する部分も多かったのです。それがああいう形で終わってしまった...文革、天安門がその後の中国で暮らす人々にとって大きな楔となっていることは事実なのでしょう。

チューリップの歌のお話、とても示唆に富んでいますね。
おそらく何のメッセージもなく(よく知りませんが)作られた歌なのに、そこにそんな意味を汲み取る人々がいることに感銘を受けました。
違いを認め合えない人間達。結局人間という生き物は所詮そういうものなのでしょうか。でもそれでは人間として生まれてきた理由を否定しているようにも思えるのです。
by 鯉三 (2008-03-26 02:48) 

鯉三

蟹道楽さん:
チベットの状況は悲惨そのものです。中国政府にすれば同化政策の完成まであと少しといったところなのでしょう。本当に今が大切だと思います。オリンピックが終わってしまったら、チベットが世界へアピールする機会を失ってしまいます。中国政府なんかが心を入れ替えるなどありえないことですが、国際社会全体で働きかけないかぎり、この惨状は続きます。なんとかならないものかと毎日悶々としています。
by 鯉三 (2008-03-27 22:50) 

ai

どうかお願いです。

チベットの問題について、もっともっと情報を発信して下さい。
多くの方に知ってもらうことが出来れば、

それだけ多くの方が出来ることを実行に移してくれるかもしれない。


私も政治的なネタはブログで全く触れていませんでしたが、

チベットの問題はもはや政治の問題ではなく、

同じ時代にこの同じ地球上に生きるもの全ての問題だと思います。


私達日本人と同じ顔をし、同じ仏教をルーツに持つ
彼らの深淵なる智慧を途絶えさせてはなりません。

彼らの智慧は、未来を生きる私達の宝です。
今彼らを救うことが出来るのは、今地球上に生きる私達だけです。
内地で声を上げることすら出来ないチベタンに代わって、
彼らの状況を変えることが出来るのは、外側に暮らす私達です。
どうか皆さんお願いです。チベットを救って下さい!

今私達が出来ること、私もブログで書いています。
ひとつでもいい、1分でもいい、何か行動して下さい!
お願いします。
http://blog.so-net.ne.jp/ai_hibi/

僧侶の命がけの直訴について知って下さい。
http://blog.so-net.ne.jp/ai_hibi/2008-03-28

by ai (2008-03-28 19:21) 

たま

人間は永遠にこのような醜い行為を続けていくものなんでしょうか・・・
教育の怖さを感じます。

by たま (2008-03-29 09:40) 

michael

日本が対等にお付き合いできる国ではないでしょう。すばらしい歴史を持っているのに。
by michael (2008-03-29 13:54) 

鯉三

aiさん:
ジョカン寺の僧侶達の映像が台湾のテレビ・ニュースで流れた時は胸が張り裂けそうになりました。加えてaiさんのブログ記事を拝見したこともあって、これは放っておけないと思いました。
ただ、このブログでのコミュニティはうちの猫二匹が作り出しているものなので、コメント欄を設けて無理にコメントをいただくのもはばかられ、今後記事にする場合は紹介のみにとどめていくつもりです。きっとその方が皆さんの心にも届くのではないかと思うのです。

また個人的にはこれから抗議文をしかるべきところにどんどんFAXしたり郵送したりしていこうと思っています。帰国時にはFREE TIBETのTシャツを着て町を歩きたいと思っています(特に空港で)。どれも取るに足りないことばかりですが、そういう積み重ねから生まれるものもあることを信じたいです。

今回チベットの問題に関心を持つようになってから、そのことについて怒ったり嘆いたりしている中で、自分自身がしっかり生活していなければいけないことにも気づきました。仕事はもちろん、身近な人間関係も大切にしなければいけない。そういうことができて始めて、人のことに思いを馳せることができるのだと。

どういう形であれ、今後もわたしはわたしなりにチベットと関わっていきたいと思っています。これだけは変わりません。

たま母さん:
人ほど恐ろしいものはありません。人が人らしく生きていない場所でその恐ろしさが噴出するのでしょうか。それは日本で日々起こっている身勝手な殺人事件などにも共通していることではないでしょうか。決してよそ事ではないと思います。

michaelさん:
世界を羽ばたく機長もそのようにお考えですか。わたしも海外で生活するものとして、どうしてもこの国とだけは無理だなと感じています。現政権は過去の歴史を台無しにしているような気がしてなりません。

by 鯉三 (2008-03-29 23:26) 

ai

>鯉三さん

色々なご意見、全くもって共感します。
鯉三さんが一人の人間として、今回のチベット問題に対し、
真剣に向き合おうとしていることが伺えて、
とても温かくなりました。ありがとうございます。
チベットの血を継ぐ主人にも代わってお礼を言わせて下さい。

>今回チベットの問題に関心を持つようになってから、
> そのことについて怒ったり嘆いたりしている中で、
> 自分自身がしっかり生活していなければいけないことにも気づきました。

私も全く同感です。彼らは、遠い可哀相な国の人ではなく、
友達の大切な人かもしれない。
出会いという人生の貴重な機会を考えると、
彼らと個人レベルで繋がっているかどうかは、
ほんの少しの違いでしかないですよね。

私達一個人に出来るのは、まず身近な問題・人に対し、
愛を持って接することだと思います。
私達一人ひとりが、人としての行動をより高めていくことで、
その良い波動はどんなカタチであれ、必ず伝播すると思います。
その愛の伝播は、チベットの人にも愛をカタチとして伝わると信じます。
友達の友達は皆友達、そして輪廻があるならば、
彼らは前世で繋がりがあった人かもしれない。
まずひとりの人間として、身近な人を大切にし、愛を実行することは、
チベットだけでなく、世界の未来を明るく照らすと信じます。
by ai (2008-03-31 00:05) 

鯉三

aiさん:
慈愛に満ちた素晴らしいお言葉の数々に感動しております。わたしのような未熟者が何か言葉を足すようなことなど何もありません。

ご主人はチベット民族の血を受けついでいらっしゃるのですね。ああ、なんという尊いことでしょうか。ネパールにいらっしゃっても、ご主人の存在はきっと彼の地で歯を食いしばって頑張っている人々の励みになるにちがいありません。どうか、よろしくお伝えください。
チベット人にとって、一日も早く平和な日々が訪れますことをお祈り申し上げます。わたしも自分ができることを実践していきます。
by 鯉三 (2008-04-01 00:44) 

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