旧暦の新年を過ごす(3) [台湾生活・雑感]
まだ五日もある、まだ半分、あと三日...と思っているうちに、とうとう最後の日を迎えてしまいました。何も特別なことをしなかったのに、時間は当たり前のように淡々と過ぎていくだけ。こうやって月日は経っていくのですね。
この間やったことといえば毎日の自炊くらいです。
旧暦の年末に浅漬けにして食べた「芥菜心」の葉っぱの部分を市場で見かけたので買ってみました。
これが、いわゆる「長年菜」と呼ばれる野菜です。
すでに新年を迎えた後だったので、二束15元(40円くらい)ととても安かったです。
一束はそのまま湯がき、しんなりしてきたら取り出して葉っぱを一枚一枚はがします。その後あらかじめ作っておいた豚骨スープに葉っぱを入れて温めます。食べる時は葉っぱを噛み切ったりせずにそのまま一枚をまるごと食べると、一年健康、つまり長寿でいられるとのことです。しかし、葉っぱがとても大きくて長いので口の中をあやうく火傷しそうになり、やむなく噛み切って食べました。
もう一束は葉と茎の付け根の部分をシラスジャコといっしょにあんかけ風に炒めて食べました。おいしくいただけましたが、この野菜は苦味があるので、きっと子どもは好きじゃないだろうなと思いました。
というわけで一週間野菜ばかり食べていたので、幸い体重は変わっていません。
よかったよかった。
買い物の途中、毎日のように出会った猫。
はちわれなので、「ハチ」と呼んでいます。
ハチはとても人懐っこいので、近所で可愛がられているようです。
ところで、街中でこんなのを見かけました。
中孝介(あたり こうすけ)が台湾でコンサートを開くらしい。
でも、なんか変。
中孝 介
これでは、「ちゅうこう すけ(かい?)」じゃないか!
昨年台湾で大ヒットした映画『海角七號』にも出演して知名度は上がっていたはずなのに...確かに日本人の苗字は漢字二文字が多いけどね。
“地上でもっともやさしい歌声”
そこまで持ち上げるくらいなら、名前は間違えないでおこうよ。
別にファンじゃないけど、これじゃあ、中さんが気の毒だよ。
<終わり>
旧暦の新年を過ごす(2) [台湾生活・雑感]
生活時間帯が違う彼とは普段あまり顔をあわせることがないのですが、実家にある自分の車をわざわざ出してきてくれました。行き先はわたしのリクエストということで、台北から車で1時間ほどのところにある金山というところへ行ってきました。
ここの名物は古い商店街にある店の鴨肉(アヒル肉)です。
廟の中に調理場があるのには驚きました。
道教の神様の祭壇はとにかく派手で賑やかです。
かねてからインドのヒンドゥに似ているなと思っています。
いくら男二人でも、これは多すぎます。
名物の鴨肉(アヒル肉)ですが、食べ切れなかったので残りは持ち帰りました。
食べ物を粗末にしない台湾のいいシステムです。
この夜は家でココナッツのチキン・カレーを作ったりして、
あっという間に次の日。
酒がきれたので、近くの量販店・カルフールへ行ってワインを一本買いました。
「CRAZY BOB」という名のワインはラベルもとてもチープな感じでしたが、
値段が安くて、わたしが好きなチリのカベルネだったので買ってみました。
ところが、バイクで走行中に袋から飛び出したワインが道路に落ちてしまい、そのまま転がり続けて万事休す...と思いきや、ワイン・ボトルは割れていなかった!確かにCRAZY BOBです。というか、ボトルがCRAZYに丈夫だったのかも。
本当に割れていないか、マメが入念にチェックしてくれました。
マメ、そこまでチェックしなくても...
ラー、どうして居眠りを始めるんだ!
残念ながらワインはCRAZYにおいしいというものではありませんでした。
<続く>
旧暦の新年を過ごす(1) [台湾生活・雑感]
理由が二つあって、その一つはノートパソコンのメモリを大幅に増設したことで、パソコンの重さが一気に解消したことです。これはふじのしんさんの記事を拝見したことがきっかけで、自分のPCのメモリを調べてみると、なんとふじのしんさんのPCと同じで256MBという容量がとても少ないものだったのです。そうして四倍の1GBのメモリモジュールを増設した結果、信じられないくらいスムーズに操作できるようになりました。重いPCを扱うことにかなりストレスを感じていたので、気軽にパソコンが開けるようになって喜んでいます。ふじのしんさん、どうもありがとうございました。しかし、ソネットだけはやっぱり重いですね(苦笑)。
もう一つの理由は、台湾が今旧暦の新年で休暇中だからです。
今回は旅行や帰国などの予定を入れずに台北でのんびり過ごしています。
元旦の朝は冷たい雨が降っていました。
路上のあちこちに爆竹のあとが残っていました。
出かけたのは中正紀念堂。
新年らしい飾り付けがなされていました。
ここへやって来た目的はこれ。
漢字で書くとこうなります。
展示自体は以前日本で見た作品ばかりで目新しいものがありませんでしたが、久しぶりの美術鑑賞を楽しめました。記念にポストカードでも買おうと思ったのですが、結局こんなものを買ってしまいました。
夏が待ち遠しい。
今年は丑年ですから。
<続く>
健康に感謝 [台湾生活・雑感]
咳痰がとまらず、人に教えてもらった食べ物や飲み物、漢方薬などをいろいろ試し、
ようやく回復しました。
この間高い熱などは出なかったのですが、
のど、鼻といった体の一部の不調だけでこんなに不自由するとは思いませんでした。
普段は健康であることが当たり前で、そのありがたさを忘れがちですが、
こうやって治ってみると、「ああ、健康はいいな」としみじみ思います。
ダライ・ラマ法王事務所へ今年最後の寄付をしました。
チベットを支援する外国人を対象にしたブルー・ブック・プロジェクト。
こうやって、チベット支援の履歴を記すスタンプ・シールが増えていきます。
これからも続けていこうと思っています。
今年もあと一日になってしまいました。
台湾は旧暦で新年を祝うので、まだ年末の慌ただしさは感じられません。
それでもやっぱり日本人なので、さすがに気持ちがそわそわしてきました。
この金魚は来年で四年目を迎えます。
食欲もあって、まだまだ元気です。
食欲といえば、猫たち。
冬に入ってから食欲旺盛で、すっかり丸々と太っています。
特にラー
お腹いっぱいにならなければ眠れないようです。
まあ、食べなければ体が温まらないものね。
マメはラーにお付き合いしている感じで、あまり自分から欲しがりません。
しかし、ひどい格好だねぇ...
まあ、ゆっくり眠ってくれ。
今年一年拙ブログを読んでいただき、ありがとうございました。
記事の更新、ブログ訪問ともに途切れがちですが、
マイペースで続けていきたいと思います。
嗚呼 台湾 [台湾生活・雑感]
もちろん、アメリカ国民に向けられたスピーチなのだが、同時通訳を聞きながら、なんだか自分に語りかけられているような気がして胸が熱くなった。
アメリカはすごいなあ...
こんな人がいて、こんな人を選ぶ人々がいる。
職場のアメリカ人、カナダ人も喜んでいた。
“今夜は乾杯だね”とカナダ人のNigelと話し、
家へ帰って冷蔵庫からビールを出し、テレビをつけると、
信じられない映像が目に飛び込んできた。
大勢の人々がホテルを取り囲み、警備にあたっている警察隊と激しく衝突していた。
そもそも今回の抗議活動は、その目的や要求もはっきりしないもので、多くの人が野党・民進党の政治的活動だったと感じている。もちろんメラミン入り粉ミルク問題などもあったし、中国に対して何らかの声をあげることは必要だった。だからこそ、その抗議活動は静かに厳かに行うべきだったのだ。「台湾は中国ではない」と主張するのであれば、民主国家として恥ずかしくない平和的な抗議活動ができたはずなのに。
結果は暴徒と化した人々が同じ台湾人の警察官に襲い掛かるという、
とんでもない暴動となってしまった。
そこには目的などなく、ただ破壊したいという過激な人々の姿があるだけだった。
民進党は「我々は平和的活動をしており、あれらの暴徒とはまったく無関係だ」と言っている。しかし、群集が取り巻くホテル前に駆けつけた民進党の蔡英文主席は、過激な抗議活動に走る人々に対して自制を求めようとはせず、興奮した口調で警察の過剰な警備と取り締まりを非難するだけだった。結果的にこれが抗議活動を暴動に変えるきっかけになってしまい、暴力を好むチンピラや黒道(ヤクザ)を招きよせてしまったのだ。
“台湾は世界中に恥をさらした”
テレビを見ながらそう感じた台湾人は多いはずだ。わたしは台湾人ではないけれど、台湾を愛する一外国人としてやるせない気持ちになった。そして何より、この事態を最も喜んで眺めているのは中国政府だと思うのだ。台湾が政治的混乱におちいり収拾がつかなくなれば、「台湾同胞を救う」という大義名分を中国に与えることになる。そんなことになってしまったら、もう台湾は終わりだ。
実は今回台湾在住のチベット人も抗議活動に参加していた。
チベット・サポーターとして、彼らといっしょに声をあげたいと思ったが、
記者会見するチベット人の横に民進党の議員が張り付いているのを見てあきらめた。
台湾は複雑だ。
自分の国を「中華民国」という人もいれば、「いや、台湾だ」という人もいる。自分のことを「台湾人だ」と言う人もいれば、「いや、中国人だ」という人もいる。これらの矛盾は今に始まったことではないが、普段は何も問題なく人々は平和に仲良く暮らしている。しかし、政治家たちはこういった立場の違いを故意に対立させる傾向があり、選挙の際はそれを利用して票計算をする悪習がある。民進党は目先のことばかり考えずに、台湾の真の未来について考えてほしい。
それにしても、台湾にオバマ氏のような人は現れないのだろうか。
互いの違いを認め合い、一つしかない自分たちの国を自分たち自身で支える。
この際、国名なんてどうでもいいではないか。
台湾の人には、一日も早く「自分たちの国」を持ってもらいたいと切に思うのだ。
久しぶりにミャンマー人街へ [台湾生活・雑感]
タイ料理やベトナム料理はともかく、ミャンマー料理というのは日本ではあまり馴染みがないと思います。台北市近郊の中和市南勢角というところへ行くと、見慣れない文字をよく目にします。華新街というその狭い通りは別名・緬甸街(ミャンマー人街)ともいわれ、平日・週末を問わず、いつも多くの地元の人々で賑わっています。
<過去に紹介した記事>
ミャンマー人街で朝食
ミャンマーのカレー
食事はもちろん、食後のミルクティを飲みながら露天で過ごす人が多いです。
ちょっと食事の前に、食品や雑貨を売る店をのぞいてみました。
珍しいものがいっぱい。調味料や薬などが所狭しと並んでいました。
音楽だけでなく、仏教の法話を聞くCDやDVDもたくさん売られていました。
ミャンマーは敬虔な仏教徒が多い国です。
さて、今日は軽めの食事で。
メニューにはビルマ語が...
椰子麺(ココナッツ入りスープの麺)を食べました。
とてもマイルドな味わいのスープで、唐辛子とレモン汁を少し加えると味がひきたちました。
店内にあった被災者への義捐金を呼びかける張り紙
今月初めにミャンマー南部を襲ったサイクロンでは、なんと10万人以上が犠牲になったといわれています。世界中から救援を申し出る声があがっているのに、ミャンマーの軍事政権は物資だけは受け入れるものの、海外からの人的支援活動をまったく認めようとしていません。CNNなどのレポートを見る限り、救援活動も復旧活動もあまり迅速に進んでいない様子です。映像では川辺のあちこちに被災者と思われる遺体が浮かんでいる光景が見られ、これはただごとではないと感じました。
ポスターを眺めていると、店主が近づいてきて“ビルマ!ビルマ!”と言いました。
“あなたたちの故郷ですか?”と聞くと、“そうだ。台風でめちゃめちゃだ”と。
台湾とビルマの仏教団体が協力して呼びかけているもので、「これだ!」と思いました。
店主に義捐金の振り込み方を教えてもらって、店を出ました。
そして 台湾 [台湾生活・雑感]
結果については、台湾に住む一外国人としてやはり“これからどうなるのか...”という不安が残ります。なんといっても、今度の政権を担当するのは中国国民党ですから。ただ、「中華民国」であろうと「台湾」であろうと、ここには一つの自由な国家があり、住民が自分達の意思で国の代表者を選べるのです。当たり前のことですが、これは素晴らしいことです。隣の大きな国にはそれがないのですから。世界中にそのことを示せただけでも、選挙は成功だったと思います。
中国の国営新華社通信は、台湾の国連加入の是非を問う住民投票が成立しなかったことを受けて、「台湾独立は支持されなかった」と論評なしで伝えています。しかし、台湾の国連加入を願わない住民などいません。その条件を強大な圧力で阻止する中国に、小さな小さな台湾が歯向かえるわけがないのです。あのアメリカだって、EUだって、そして情けないかな日本だって、中国には何も言えないじゃありませんか。
とにかく世界が認めようと認めざると、台湾はすでに独立しているのです。
民主的な選挙が行われ、自由な社会が存在するのですから。
今後は馬英九さんのお手並み拝見です。
中国のチベット民族弾圧にいち早く反応し、オリンピックのボイコットにまで言及した馬さん。
選挙戦中でのその発言は危険な賭けだったと思いますが、その勇気ある言葉を信じたいと思います。
宜蘭の旅(後) [台湾生活・雑感]
泊まったホテルは日本のガイドブックにはもちろん、台湾でもほとんど紹介されていないところです。これといって特徴のないホテルなのですが、料金が安い上に部屋が広いのと浴槽も大きいのが気に入っていて、今回は二回目の利用でした。
しかし、礁渓(ジャオシー)温泉にはたくさんの温泉宿があって、高級ホテルも進出しています。今回は時期的なこともあり、とてもとても手が出なかった礁渓老爺大酒店へ見学に行ってきました。
エントランスからして違います。
古い時代の絵をそのまま使った提灯はとても風情がありました。
見学だけでは肩身が狭いので、1階のラウンジバーでワインを飲みました。
温泉プールでは宿泊客が泳いでいました。寒いだろうに...
ホテルを出て、海を目指します。
漁港がある北關という一帯へ出ると、おいしい海鮮料理を食べさせてくれる店がいくつも並んでいます。馴染みの店で、新鮮な魚介類を使った料理を堪能しました。
ヨコワの刺身
海瓜子(アサリに似た貝)の炒め物
海草とセロリと卵の炒め物
シラスのあんかけスープ
寒天のゼリー
どれも近海でとれたものばかり。季節ごとにちがった海の幸が味わえます。
昨年雪山隧道(トンネル)が開通して台北市内から車で1時間足らずで行けるようになった宜蘭(イーラン)。今回高速バスを初めて利用してその便利さに驚きました。宜蘭はおいしいものがいっぱいあって人もとても親切。台湾の素朴な町並みや自然が数多く残る場所でもあります。これからも度々足を運びたいです。
うちの猫たちは一晩お留守番でしたが、仲良く過ごしてくれていたようです。
宜蘭の旅(前) [台湾生活・雑感]
2月7日、台湾は旧暦の新年を迎えました。今年は六日間の休暇と少し短めです。
除夕(大晦日)は台湾東北部の宜蘭(イーラン)へ行ってきました。
宜蘭にある温泉町・礁渓(ジャオシー)です。鉄道駅の前には足湯があり、電車が来るのを待つ間、こうやって過ごせます。
駅の中に猫を発見。
一泊だけの旅ながらも、ラーとマメのことが気になります。
泊まった宿にはこんな大浴場がありました。水着を着て入ります。
客室にも温泉の湯が引かれていて、ゆっくり温泉につかって一年間の疲れを落としました。
夜は電車に乗って夜市が有名な羅東へ。
さすがに除夕とあって人影もまばらでした。
宜蘭名物の一つ「ト肉」です。紅麹は中国から伝わった発酵食品で、お酒や豆腐ようを作る時によく用いられます。今では宜蘭にだけ残っているものだそうです。
近くのコンビニで缶ビールを買って、あつあつのト肉をほおばりました。
台湾では「除夕圍爐」といって、大晦日を家族団欒で過ごす習慣が今もしっかり残っています。電車に乗っていると台北から田舎へ帰る人々の姿を多く見かけました。皆さんちょっとお疲れのよう。
明日はたくさん紅包(お年玉)をもらわなくちゃね。
(後)に続く。