Lost In Translation [映画]
この映画が作品として成功したのはもちろん、ビル・マーレーの演技。
学生時代に仲間内で、ロマン・ポランスキー監督の「フランティック」に主演したハリソン・フォードをめぐって議論した時、二枚目のハリソン・フォードしか念頭にない人は一様に渋い顔をしたのを思い出しました。同様に、ビル・マーレーを単なる喜劇俳優で語ってしまったら、ただの「おとぼけおじさん」に落ち着いてしまいますが、この映画のマーレーはまさしく彼そのものと思わせるほど、映画にはまっています。
しかし、もっとも気に入っているのはS.コッポラ監督の趣味。
映像、音楽は言うに及ばず。
主人公の二人がホテルの一室で吟醸酒(おそらく)を飲みながら、フェリーニの「甘い生活」を見ている。カラオケ・ボックスでマーレーがロキシー・ミュージックのMore Than Thisを歌う。藤井隆が吉本デビュー時を彷彿とさせるエキセントリックな役作りに徹しているなど、個人的には過剰に反応してしまうシーンが多くて、どうしようかと思いました。
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