この人この曲(9) THE DURUTTI COLUMN:NEVER KNOWN [音楽]
FMラジオから80年代の音楽が流れてくると懐かしい気持ちになる。MTVが全盛期だったあの頃、音楽は映像とともに楽しむものとして定着したのだが、結果的には流行に過ぎないものが多く、少し時間が経つと懐メロに変わってしまうものがほとんどだった。そういうのも音楽の楽しみ方の一つなのだろうが、流行した音楽というものはやはり色あせてしまうものだ。
学生時代、70年代後半のパンク・ムーブメントが終わって出てきた80年代のイギリスの音楽に親しんできたのだが、この頃にデビューしたバンドの中にとても異色のバンドがあった。それがDURUTTI COLUMNだ。バンドのリーダーであるVINI REILLYが病弱だったこともあって派手さのないバンドなのだが、現在も地道に活動を続けている。ヒット曲はなくとも発表されたアルバムへの評価はとても高く、その内の数枚を大切にしている。なかでも『LC』というアルバムは今でも繰り返し聴いている。
VINI REILLYの作り出す音楽の特徴はなんといってもギターの音色だ。“ジョッジョッジョッ”と爪弾かれる音はとても独特で、そこには激しいROCKのスピリットみたいなものは感じられない。かといって、フュージョンのように軽いメロディやリズムを聴きやすく弾いているわけでもないし、そんなテクニックを持っているわけでもないのだ。詩的...思わずそういいたくなるほど、アーティストを感じさせるミュージシャンであり、きっと本人は自覚していないその自然なスタイルは今も変わっていない。うれしいことだ。
アルバム『LC』はVINIのヴォーカルが少ないのが残念だが美しい曲が多い。特に少しトーンの低い暗い曲に味わいがある。六曲目「NEVER KNOWN」のギターの音はどこまでも切なく、この季節に聴くと胸にしみいるようだ。
映像はこちらで
この物悲しげな秋の季節にいいんでしょうね〜
ギターの音とか、ピアノは人にもよるけどいいですよねー
by 花火師 (2007-11-12 01:01)
花火師さん:
秋はとかく感傷的になりがちですね。しかし、寂しいのを嫌ってそういうのをしっかり受け止めようとしなければ、感性は養われないのかもしれません。
まぐわささん、鰯母さん、nice!をありがとうございます。
by 鯉三 (2007-11-13 00:28)
たとえ、一般に広まってなくても
自分の心にピタッとはまるアーティストっているんですよね。
理由はなくても、無性に好きなアルバム・・・
私もありますよ。
by たいへー (2007-11-13 17:26)
風景も次第に色を失う季節、遠くまで広がる鈍色の空。
窓を開けると入り込む冷たい空気。
行き先も決めずに車を走らせる。
そんなときに選びたい曲です。
by iharaja (2007-11-13 23:32)
たいへーさん:
そうですね。このアーティストについてはそんなに詳しいわけではないのですが、以前からかっこいいなと思い続けています。音楽と真摯な姿勢で向き合っているところがいいなと思います。
iharajaさん:
この季節は風景から感じるものが多いですね。心象風景とはよくいったものですが、毎日眺めている景色が心を動かすのは不思議だなと思います。とてもナイーブなアーティストで、音楽も繊細そのものです。
COCOさん、nice!をありがとうございます。
by 鯉三 (2007-11-14 00:52)
実は未聴です・・・多分、この頃はイギリスだとポリスあたりを聴いて
いたのかも・・・?いまひとつ記憶が定かでないです。
ポリスだと秋を通り越えて冬っぽいんですが。
秋といえば、最近は母が良く聴いていたシャンソンを思い出します。
70年代のお気楽・ノリノリから、80年代に入ると一部深く入り込む
ジャンルも出てきましたよね。いわゆるクロス・オーバー的なものを
一番聴いていた時代かもしれません。
by okinawa-fan (2007-11-17 21:58)
okinawa-fanさん:
ポリスはわたしも好きです。再結成には興味がないのですが、メンバーは三人とも才能豊かで素晴らしいバンドだと思います。そうですね、ポリスは冬の冷たいイメージがありますね(笑)。
季節と音楽...いろんな切り口があって面白そうです。
by 鯉三 (2007-11-19 23:48)
この時代のブリティッシュは創造的でよかったですよね。DURUTTI COLUMNがここまで長寿バンドになるとは思いもよりませんでしたが。
by seita (2007-11-26 00:07)
seitaさん:
パンクからニューロマンティックやエレクトロニック・ポップへ移行する間のわずかな期間ですが、ポリスやジャム、そしてこのドゥルッティ・コラムといったバンドが生まれたことは奇跡的です。わたしはこの時期のバンドが特に好きなのです。病弱だったVINI REILLYはすっかり健康になったようで、今でも旺盛な活動をしているようです。
by 鯉三 (2007-11-28 00:39)