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ソウルのダウンさん [猫]

以前韓国で暮らしたことがあります。
わずか一年足らずでしたが、その時の同居人が猫を二匹飼っていたので、期せずして韓国で猫とともに生活することになりました。しかし当時、韓国の地方都市で生活してわかったことは、その地はペットにとって決して恵まれた環境ではないということでした。特に韓国で猫を飼う人は日本や台湾と比べるとずっと少なく、ペット・ショップや量販店へ行ってもエサの種類がとても少なかったことを記憶しています。それでも冬は温かいオンドルの床で、気持ちよさそうにゴロゴロする猫たちの様子を懐かしく思い出すこともあり、それはわたしにとって韓国でのいい思い出の一つとなっているのです。

台湾へ移ってから、韓国での日々はすっかり遠ざかっていたのですが、
去年6月、偶然見かけたブログに目がとまりました。

『補身湯〔ポシンタン〕にしないで!』というブログ名に、とても驚かされました。
「補身湯」というのは犬肉を使った鍋料理のことです。
そこには強いメッセージがありました。

捨てられたり虐待されたりした犬や猫を保護して一時的に引き取る施設が紹介されていました。目を覆いたくなる、つらい写真もありました。でもこれが人間のやっていることの現実だと思うと、目をそむけるわけにはいきませんでした。その他にもいろいろ記事を読みすすめていくうちに、ブログの作者であるダウンさんの動物たちへ向ける温かい眼差しとそのお人柄を感じ、それ以後すっかりこのブログのファンになってしまいました。

ダウンさんは韓国ソウル生まれの女性です。お若い方ですが数年前に結婚されて、現在は忙しい会社勤めに明け暮れる毎日を過ごされています。ご主人は日本人です。不思議なご縁で、ご主人とわたしは同業ということもあってか、今では時々メールのやりとりをすることもあるくらいです。でもやっぱり猫の話が中心になることが多く、つくづくこのご夫婦は猫(動物)がお好きなのだなと嬉しくなってしまうのです。

ダウンさんのブログは、そのほとんどが日本語で書かれています。ブログを始められた当初は韓国語で書かれていたこともあったのですが、やはりこのブログは基本的に日本人に向けて発信されているのだと思います。きっと謙虚なダウンさんは「これは日本語の勉強だ」とおっしゃることでしょうが、どの記事も見事な文章で感服します。なによりもその文章は温かくてユーモアがあります。だから、このブログにおじゃますると、なんだかホッとするのです。最近はお仕事がとても忙しいとのことで記事の更新も途切れがちですが、どうか無理せずゆっくりブログを続けていただきたいと願っています。

ダウンさんのブログ『補身湯〔ポシンタン〕にしないで!』
こちらからどうぞ

dw.jpg

ダウンさんのお宅の猫ちゃんです。
左はミルちゃん、右はアキちゃん。
ソウルはそろそろ、オンドルの季節になるのでしょうか。


ちなみに今日の台北は、気温が26度まで上がりました。
今もTシャツ一枚で過ごしています。


いつかダウンさんご夫婦と、ソウルか台北でお会いできることを夢見て。



<追記>

ラーの脂肪腫はその後も小さくなり続け、今ではわたしの指でかたまりを確認できないほどになりました。わずかに、ひものようなものがあるようなないような、そんな感じです。
すごいですね、動物の自然に持っている治癒力というものは。

dw2.JPG

よかったね、ラー。


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コメント 16

ゴーパ1号

さっそく、お邪魔しました。足跡は残しておりませんが^^;
「エネルギーと癒し」という言葉が印象的でした。
ラーさん、良くなったのですね。ほっ^^
by ゴーパ1号 (2008-10-18 21:45) 

ミタタロウ

鯉三さんこんにちは!
オンドルでなごむ猫ちゃんたち、幸せそうですね。
どこの国でも、動物が幸せに暮らせればいいのですが。。。
ラーくんの調子もよさそうで、何よりです。
by ミタタロウ (2008-10-18 23:02) 

coco030705

ラーちゃんよくなってよかったですね。
お顔がとってもきもちよさそう!

人間の傲慢さが、ついには自分たち自身をほろぼして
しまわないようにと、祈るばかりです。
by coco030705 (2008-10-18 23:32) 

えのみ

世界中のねこたちが幸せに暮らせる世の中になって欲しいです。
ラーくん良くなって来たのですね。
剃ったところも少し生えてきましたね。
本当に良かったです。
by えのみ (2008-10-19 01:37) 

マヌカン☆

ラー君の安心しきった表情がほほえましいです
早く毛が生え揃ったらいいですね^^
犬や猫と人間の関わり方、についてときどき考えてしまうことがあります。
とにかく自分が飼った子だけは ちゃんと最後まで世話をしようと決めましたが。
また猫を飼いたいと思い始めましたが、今は猫を飼う条件に不安があるので飼えないままで、ブログのお知り合いの猫ちゃんの消息を楽しみに拝見しています
by マヌカン☆ (2008-10-19 01:43) 

mito_and_tanu

こんばんは。
ラー君、脂肪腫が治ってよかったですね。ナデナデされているラー君の表情、とても幸せそうに見えます。
ダウンさんのブログ、早速お邪魔してきました。 ゴロ君の天真爛漫なかわいさ。素晴らしいと思う反面、こんなにかわいい子が捨て子だったんだと思うと複雑です。
by mito_and_tanu (2008-10-19 20:40) 

べっこら

ラーちゃんよかったですね。
by べっこら (2008-10-19 22:06) 

purimaro

韓国のお話・・日本はそういう意味ではほんとに恵まれていますね!
ペットショップも多く、行けば沢山のおやつやグッズがお店に溢れていて・・
その一方ではやはり同じように動物を簡単に捨てたり虐待したりという
事件が絶えない現実もありますね、日本もまだまだ保護する施設も少なく
TVなどでそういった報道を見るたびに胸が痛くなります(><)。。
ダウンさんご夫婦との交流、素敵ですね!いつか会えたら良いですね^^!
ラー君頑張ってますね!早く治りますように、、、
by purimaro (2008-10-20 09:14) 

鰯母

ダウンさんのブログ、拝見してきました。
どこの世界でも苦しんでいる動物がいて、そしてそれを生み出す
人間とそれを救おうと慈しむ人間がいるのですね・・・。
でも幸せそうに暮らしているネコちゃんの姿を見ると嬉しくなります。
ラーくんも脂肪腫どんどん小さくなっているとのこと、本当に
よかったですね。安心しました。
by 鰯母 (2008-10-20 10:07) 

まぐろとわさび

どこの国でも虐待される動物がいるのですね。
景気や社会情勢が悪くなればなるほど可哀相な子たちが増えそうです。
ココロが痛みます。
ラー君の嬉しい報告とステキなダウンさんのお話で気持ちよく次の記事
にいけます♪
by まぐろとわさび (2008-10-20 16:20) 

kumimin

こんばんは。
何かあると虐待される小さな動物。そこに温かい気持ちで接する方って尊敬します。外猫さんを町で見かけるとうれしい反面、心配な気持ちもわき上がってきます。確かにおうちで飼われることが幸せとは限りませんが生命を全うできる子が外猫には圧倒的に少ないですよね。
ましてや虐待されて命を縮めるなんて悲しすぎます(T T)

ラーさん、快復してきてよかったですね♡
by kumimin (2008-10-20 22:58) 

鯉三

COCOさん、いつもnice!をありがとうございます。


ゴーパ1号さん:
「エネルギーと癒し」、似て非なるものですね。しかしつながっているもののような気もします。ダウンさんの言葉には、あっ!と言わせられるものが時々あります。

ミタタロウさん:
オンドルは台湾ではまったく必要ないものですが、日本にあったらいいなといつも思っていました。足から温めるというのはとても理にかなっています。こんな温かい床に寝転がれる猫たち、幸せですよね。

ココさん:
ラーは本当によかったです。こんなにいい方向へ向かうとは思っていませんでしたから。
そうですね、表面化している環境問題は人間の驕りの結果以外の何者でもないと思います。地球的にみれば、自分で自分の身を滅ぼす段階に入ったような気がしています。

えのみさん:
もっともっと、人々が動物のことを考えられる世の中であってほしいですね。ラーはおかげさまでほぼ心配するようなことがなくなりました。

マヌカン☆さん:
そうですね、飼うことの責任については考えて考えすぎることはないと思います。とても大切なことです。わたしも外国の台湾にいて、猫たちとこの先どうやって過ごしていくのか、そろそろ真剣に考えようと思っています。

mito_and_tanuさん:
ダウンさんのブログにコメントを残してくださったのですね。ダウンさん、とても喜んでいると思います。mito_and_tanuさんと同様に、ダウンさんも猫たちの里親探しに奔走されています。わたしも台湾で猫たちのために何かできないかと思うようになってきました。

べっこらさん:
ありがとうございます。
おかげさまで、ラーはもうこのことについては心配ないと思います。

purimaroさん:
日本のペット・ショップはすごいですね。台湾にもかなり日本のものが入ってきていますが、「よくこんなものを考えるなあ」と感心させられます。でも、飼い主である人間の視点から作られたものも多く、必ずしも動物のためとはいえない物がたくさんあります。動物を飼うことは遊びではないということを忘れないようにしたいものです。

鰯母さん:
人間も生きていくことに大変なこの世の中ですが、動物を単なる慰み物にするようなことだけは慎んでほしいと思います。わたしは「癒し」という言葉も気をつけて使いたいと思っています。癒しは動物から一方的に受けるものではなく、動物にも与えるべきものだと思います。

まぐわささん:
世界の経済が恒常的な不安定状態に陥り始めています。この先どうなっていくのでしょうか。弱いものが淘汰されていくということだけ、昔も今も同じことなのでしょうか。発展がないですね、人間社会は。
ダウンさんも、いろんなジレンマと闘っていると思います。ブログでの交流を通して、それらが一つ一つゆっくりでも解決できるようになればと願ってやみません。

kumiminさん:
そうですね、外猫たちにとっては毎日が生きることの戦いだと思います。もっとも、彼らは日々のんびり過ごすこともちゃんと知っているのですが、常にいつ命を落としてもおかしくない環境に身をおいているわけで(その危険はほとんど人間が作り出しているものですが)、おっしゃるとおり、人生を全うできることなどほとんどありません。人生をまっとうできるのは人間だけに与えられた特権なのでしょうか。そうじゃないですよね、やっぱり。

by 鯉三 (2008-10-21 00:58) 

iharaja

何も考えずに操ることのできる母国語でさえ、自分の思いを言葉にするのは難しいと感じます。
ダウンさんの書かれた言葉は深く、真摯で・・・。でも、ウィットに富んでいて。久々に直球ストレートの文章にふれた気がしました。
ちょっと、お会いしたくなりました。
by iharaja (2008-10-21 07:56) 

ayou

ダウンさんのブログ拝見しました。
韓国のことは余り詳しくないので、とても興味深いです。特にネコを取り巻くあれこれ…知りたいです。
それからミルちゃん?がうちのわいによく似てる!
ラーちゃん、良くなってよかったですね。こころなしかホッとしているみたいに見えます。
私もこのままで行けば台湾に一生住むことになりそうだし、ねこにかかわること、なにかできないかとずっと考えています。



by ayou (2008-10-22 21:51) 

鯉三

iharajaさん:
母語を客観的に読み直すことは実は難しいことですよね。そういう点で外国語としてその言葉を使っている人たちは、きっと言葉を吟味していると思います。「こう書けばいいのかな...」みたいな問いかけは、日本語を母語とするわたしたちにも必要なことですね。
ダウンさんはお酒が好きなようなので、ぜひどこかで一杯酌み交わしたいと思っております(笑)。

ayouさん:
韓国のペット事情、かなりよくなってきているとは思いますが、まだまだ厳しいものがあるようです。特に昔からあまり猫は好かれていないので、犬への関心の高さとはかなり差があるようです。台湾もそうですよね。でも日本は本当に猫好きの人が多いですね。なんか理由があるのかなあ...

わたしもまだまだ台湾にとどまることになりそうなので、猫の里親探しとか地域猫のことなどで活動に加わりたいと思っています。もし、なにか情報がありましたら、ぜひ教えてください。

その前に中国語を勉強しなくては...(恥)。

by 鯉三 (2008-10-23 00:45) 

鯉三

椋木萌さん、nice!をありがとうございます。
by 鯉三 (2008-10-25 22:53) 

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