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この人この曲(2)Pat Metheny:Last Train Home [音楽]

いわゆるフュージョンと呼ばれるジャンルの音楽にはまったく興味がないのですが、いつもそこにジャンル分けされてしまうPat Methenyの音楽だけには魅了され続けています。

彼は間違いなく、偉大なジャズ・シーンの歴史の1ページを飾れるギタリストであり、ミュージシャンなのですが、そういう型にはめてしまうのには無理な、ジャンルを超えた独自の音楽世界を築いているのです。彼の音楽が持つ世界性とその広がり。聴く者がそこに描く情景はそれぞれ違っていたとしても、瞬間に得るトリップ感はまさしく「ここにはないもの」。誰もがそこへ行ってみたいと思わせるものなのです。

Last Train Homeを聴いて、何を連想したか?

いろんな人に感想を聞きましたが、みんなそれぞれ違っていながら、語る時にどこか遠くにある風景を思い浮かべるような、ぼおっとした表情をする点は共通していました。

わたしが初めてこの曲を聴いた時の印象は一言、「ほろ苦い」でした。

 「今、そこへ帰って行くんだ」という、胸の鼓動を抑えられませんでした。

パット・メセニーが、音楽を通して言葉にできない感情を確実に表現してくれていたのです。

Still Life (Talking)

Still Life (Talking)

  • アーティスト: Pat Metheny Group
  • 出版社/メーカー: Nonesuch
  • 発売日: 1990/10/25
  • メディア: CD


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この人この曲(1)Billy Joel : Say Goodbye to Hollywood [音楽]

TOWER RECORDの“NO MUSIC, NO LIFE”というキャッチフレーズ。
これはわたしにとって、まさしく真実の言葉!
新しい音楽への興味はさすがに徐々に失せてきたけれど、一度好きになったものは繰り返し聴いているし、おそらくこれからもそうだろう。年老いて、簡単なCDプレイヤーの操作さえ億劫になったとしても、聴きたくなった時は頑張って動けるように、今から脳にインプットしておかなければ!

ビリー・ジョエルは、当時中学生だった自分が初めて魅かれた洋楽のミュージシャンです。
テレビのコーヒー会社のCMで流れたHonestyの切なくも情熱的な歌声に、「これは!」と思って、すぐに貸しレコード屋へ走りました。いやー、古い話で恐縮です。

Piano Man、New York State of Mind、The Stranger、My Life、Just the Way You are...
数々の名曲がある中で、今でも時々聴く曲が、Say Goodbye to Hollywoodです。

録音はライブのものが多く取り上げらていますが、
本当に素晴らしい演奏、歌声、そして聴衆の反応です。

歌詞もいいです。
「レンタカーで疾走」っていうのがいいですね。
http://music.yahoo.co.jp/shop?d=p&cf=52&id=134163

ビリーははっきり言って見栄えがパッとしない。
背が低くて短足。
それなのにハーレーに乗って事故ってしまうのも、やっぱりダサい。
でも、その当時は真っ先にピアノを弾く手のことを先に心配してしまったけど...

少し寂しさを残して、旅立っていく感じ。
何かに迷ったり、新しいことを始めたりする時は、
いつもこの曲が後押しをしてくれます。

Songs in the Attic

Songs in the Attic

  • アーティスト: Billy Joel
  • 出版社/メーカー: Sony Budget
  • 発売日: 2001/04/02
  • メディア: CD

(今日はこんな感じでよろしいでしょうか?)

我要去睡...


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椰子の木 [音楽]

昨日、職場の同僚DavidがCDを貸してくれた。
彼とはここ最近、よく音楽の話をする。
そのきっかけは、世界中に配信されたひとつの珍しいニュースからだった。

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Samingad Live in 女巫店,Taipei [音楽]

サミンガ(紀暁君)の透き通った歌声は、都会の狭いライブハウスから夜空を駆け上がり、はるか彼方の風が木々を揺らす広い大地へ。それはまさに意識が突き抜けるような、一種のトリップ感とでもいうもの。

ゆっくりと余裕を持って絞り出される歌声は、時にそよ風を頬に受け止めるように繊細で、時にこぶしを固く握りしめるように力強く、時にまっすぐ前を向けないような憂いとためらいを秘めながら解き放たれていきます。ああ、生の歌声一つにすっかり悩殺されてしまった...

ライブはもうすでに何度も観ていますが、今夜のそれは「よーし!今日は歌うわよ!」という気持ちが前面に出ていて、とてもよかったです。会場の女巫店も、彼女の歌にとことん酔いたいという人たちで埋まり、いい雰囲気でした。

ヴォイス・オヴ・ピュマ~太陽、

ヴォイス・オヴ・ピュマ~太陽、

  • アーティスト: サミンガ
  • 出版社/メーカー: ロックレコード
  • 発売日: 2000/05/20
  • メディア: CD


野火・春風

野火・春風

  • アーティスト: サミンガ
  • 出版社/メーカー: ロックレコード
  • 発売日: 2001/08/18
  • メディア: CD

台湾のサイトです。サイドバーからアーティストを選べば、視聴できます。
http://www.tcmusic.com.tw/cd/Default.aspx


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ジャズノヴァ? GETZ AU GO GO [音楽]

明日は朝から仕事。でも気分はやはり週末。
ということで、今夜はボサノヴァを。

学生時代、今はもう販売されていないレトルト・カレー「Tarzan」のCMで流れていた曲が気になりました。それは後に、小野リサが歌うO AMOR,O GEU E MARという曲だとわかったのですが、これをきっかけにしてボサノヴァを聴き始めたように思います。小野リサは今では誰もが知っているボサノヴァ・シンガーですが、ボサノヴァの故郷・ブラジルでは今彼女のようにオーソドックスなスタイルで歌う人はもうほとんどいません。その数少ない正統を行くボサノヴァの歌い手に、アストラッド・ジルベルトがいます。

彼女は現在も「ボサノヴァの女王」としてステージで歌い続けています。
わたしも過去に二回大阪ブルーノートでライブを見ました。独特のアンニュイな声は健在で、少しシャイな印象も全然変わっていませんでした。ブラジルの才能溢れるアーティスト・DJAVANの曲をカヴァーしたり、新旧取り混ぜてのライブはバックのミュージシャンとの息もぴったり合って、それは素晴らしいものでした。

アストラッド・ジルベルトといえば、スタン・ゲッツとの共演でしょう。
特にこのライブ盤はヴァイブのゲーリー・バートンも参加していて、とても貴重です。ジルベルトの物憂げな歌声に、ゲッツの渋いサックスの音色が被さると、これはもうジャズなのか、ボサノヴァなのか...どちらとも言える、あるいはどちらとも言えない。はっきりしていることは、確かに他にはないもの。一見無表情で抑揚の少ないヴォーカルとジャズのブルー(孤独)が見事に溶け合い、聴く者の心をしっとり、そして温かく包み込みます。

何度聴いても、素敵な夜と出会える、そんな一枚です。

Getz Au Go Go

Getz Au Go Go

  • アーティスト: Stan Getz with Astrud Gilberto
  • 出版社/メーカー: Verve
  • 発売日: 1990/10/25
  • メディア: CD


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完璧とはこういうもの Glenn Gould:The Goldberg Variations  [音楽]

クラシック音楽=交響曲のようなイメージしか持っていなかった自分が、
この曲、この演奏に初めて接した時の衝撃は今も忘れられません。

冒頭のアリアの美しい旋律に心を奪われかけた瞬間、「ドン!」と来る第一変奏。
ここから先はもう目が回りそうでした。
もの凄い演奏!一体このテクニックは何なのか。
トータルにして50分ちょっとの演奏は、めくるめく展開で頭の中を駆け巡り、再び静かにあのアリアへと。
最後のピアノの一音が完全に消えた時、たった今、この世で本当に美しく完璧なものに出会ったのだと、深い感動に包まれました。

久しぶりに聴いたGlenn Gouldのピアノと唸り声(鼻歌?)。
素晴らしいひと時でした。

バッハ:ゴールドベルク変奏曲(1981年デジタル録音)

バッハ:ゴールドベルク変奏曲(1981年デジタル録音)

  • アーティスト: グールド(グレン), バッハ
  • 出版社/メーカー: ソニーミュージックエンタテインメント
  • 発売日: 2004/11/17
  • メディア: CD


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一人で聴きたい Bill Evans [音楽]

JAZZが大好きです。
学生時代、JAZZに詳しい友人が何人かいて、その影響で聞き始めたのですが、
最初に「これはいい!」と思ったのが、Bill Evans Trio 「Waltz for Debby」です。
今では死語の「ジャケ買い」をしても惜しくないでしょう。
実際、わたしはCDだけでは飽き足りず、LPも買ってしまいました。
それほど、それはそれは素敵なジャケットです。

もちろんジャケットだけでなく、名盤の誉れ高いアルバムですから、
まさに必聴の一枚というべきです。
一曲目のMy Foolish Heartの最初のピアノの一音は、多くの人が語るように奇跡的です。
それに続くドラムのブラッシング...力強いウッド・ベースの低音。
こんなに美しく、しかもスリリングなトリオの演奏はそう他にはありません。
そしてライブの会場、ニューヨークのVillage Vanguard。
食器の皿やグラスが触れ合う音も録音されていて、リラックスした雰囲気の中で淡々と演奏されていく様子が手に取るようにわかります。

今夜も一人、Bill Evans を聴きながら酒を飲む。
決して気取りではなく、音楽も酒も最高のものになる瞬間なのです。

Waltz for Debby

Waltz for Debby

  • アーティスト: Bill Evans Trio
  • 出版社/メーカー: Riverside
  • 発売日: 1990/10/17
  • メディア: CD


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ROXY MUSIC & BRYAN FERRY [音楽]

ブライアン・フェリーほど、ヨーロッパを感じさせるロック・ミュージシャンは珍しい。
ブリティッシュ・ロック(あるいはポップ)を代表するミュージシャンは数多くいるが、ヨーロッパというイメージで最初に浮かぶのは彼ではないだろうか。

ブライアン・フェリー、そしてロキシー・ミュージックが作り出す音楽は、技術的には素人だからできたアヴァンギャルドな発想と、美術系の学生出身らしい美意識が色濃く反映されている。しかし、彼らが成功した最大の理由は、音楽がシンプルでとてもとっつきやすかったこと。それはこのグループ再結成ライブでも確認できる。年齢を重ねた分、てらいもなく、かといって手抜きもない。真に大人を感じさせるいいライブだと思う。何より、演奏が格段に上手になっているのがいい!

ライヴ・アット・アポロ 2001

ライヴ・アット・アポロ 2001

  • 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2006/02/08
  • メディア: DVD

グループ最後のアルバム『アヴァロン』は、彼らのヨーロッパ的なセンスと音楽的成熟が結実した最高傑作。今聴いても新鮮で、そして「これがロック?!」と思わずにはいられないほど美しく芸術的な作品だ。特に1曲目の「MORE THAN THIS」のギターで始まるイントロと、フェリーの高く裏返った声とのマッチングは鳥肌もの。心地よい解放感に包まれることまちがいなし。

Avalon

Avalon

  • アーティスト: Roxy Music
  • 出版社/メーカー: Virgin
  • 発売日: 1999/04/12
  • メディア: CD


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Stones ストーンズ 滾石! [音楽]

ローリング・ストーンズが再び来日する。
今回も見ることができない。まことに残念。

初来日の時は大学生だった。
東京だけの公演だったのでお金もなく、テレビのライブで我慢した。
それでも、やはり感動した。ミックとキースの和解は本物だったし、このツアーが最後になるビル・ワイマンを目撃できたことも大きかった。

その後も活動を続け、何度か来日したストーンズ。
年齢を重ね、老いるだけの彼らだが、存在感はさすがだ。なによりもパフォーマンスでそれを示してきたことは立派だ。前回の来日公演(武道館での公演)をリポートした渋谷陽一の記事はファンを満足させたし、同時に「当たり前やろ、アホ!」(関西弁) とも、うそぶくことができた。
http://www.rock-net.jp/shibuya/r-stones.html
ストーンズに限界はない  ただ転がり続けるだけだ

音楽の質では、当然ビートルズに及ばない。
スティングがいつもストーンズのことを馬鹿にするが、そもそも土俵が違う。
ストーンズはライブ・バンドだ。
レコーディングでちょっと時代の空気を読んで、こじゃれた、あるいは姑息な録音をしたとしても、それを批判するのは野暮というものだ。そこに変わらないストーンズ・テイストがあるからこそ、ファンはストーンズから離れないのだ。決して簡単なことではない。技術的ではなく...いつも不変なもの。体育会ノリで言わせてもらえば、ド根性だ! 英語でいえばSpirit! ちょっと薄まったかな...

しかし、チケット高い。日本にいても無理。

ストーンズのライブは夢のまた夢か。
その夢を、ひたすら追い続けるしかない。


フォー・フリックス (4枚組 DVD-BOX)

フォー・フリックス (4枚組 DVD-BOX)

  • 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2003/12/10
  • メディア: DVD


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陳建年の新作だ! [音楽]


ラーでなくとも魚の匂いを感じそうなジャケット。

待望の陳建年の新作が発売されました。
ドキュメンタリー映画「南方澳海洋紀事」で作曲、レコーディングしたものをCDに収めたもので、インストゥルーメントがほとんどです。ファンとしてはもっと建年の素晴らしい歌声を聞きたかったところですが、CDを通しで全部聞き終えると、ゆったりした気持ちになれました。

彼が警察官として赴任している蘭嶼(ランユイ)島には、先住民族のヤミ族が暮らしていて、イモを主食にしたり、海へ漁に出たりするその生活は、フィリピン諸島の先住民族などに近いと言われています。彼はこの島とここに住む人々をこよなく愛しています(ちなみに陳建年はヤミ族ではなく、台東のピュマ族)。
建年は蘭嶼の自宅に自前のレコーディングセットを組み、なんとたった一人で録音してしまったのです。ギター、竹笛、アコーディオンなどで目の前に広がる風景や彼自身の心象風景を見事に表現して、聞く人を穏やかな南の島へと誘います。

ああ、蘭嶼へ行きたい!


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